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荒川区長、西川太一郎先生の医療費適正化の御講演を聴く

 東京のここ2-3日は寒くて12月中旬の寒さだが、暖かい部屋で食べるアイスクリームはまた格別。

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 今週は11月13日の木曜日、定例の志帥会で、医療費適正化に関しての荒川区の取り組みとその成果について、西川太一郎荒川区長のご講演があった。

#1 ジェネリックの医薬の促進(区から患者へ電話や手紙で勧誘)
#2 糖尿病患者への栄養士・保健士による直接の生活食事指導(糖尿病から透析となり、医療費が増える)
#3 複数の同系統・医療機関の掛け持ち受診者へ、保健士の派遣して、受信先をひとつにするように勧める。

 レセプトが電子化されて、患者データが簡単に手に入り集計できるようになったことで、個別に
これらの取りくみがどれくらい効果があるかすぐにわかるそうだ。誰がどういう治療を受けているか、
簡単にわかるからである。

#2、#3については、病気を減らして医療費適正化ということで、異論のないところである。

さて #1についてであるが、
荒川区の実績から、#1を全国に広めると、年間1600億円の医療費が浮くという。「国会議員の皆さんも、それぞれの選挙区での財政再建のためには、これらの策を参考にしてください」とおっしゃった。

#1について、ご講演の中でも述べておられたが、医薬品業界を中心に若干の異論もある。講演は15分と時間の制約があったので、そのあたりの事情を詳しく述べておられなかった。その辺を少し補足したいと思う。

 近年の薬の開発は国際競争が大変熾烈で、いまや日本勢は劣勢である。ここ10数年、抗体医薬品の開発に遅れて、今年の抗体医薬品の輸入額は約1.8兆円前後になっている。節約した1600億円が研究開発費の元手だったとしたら・・・・・。見掛け上の成功が、長期的には自分たちの経済を弱めている可能性がある。「収縮均衡」つまりは「デフレ」。この10数年日本経済が直面してきた問題だ。

 区の予算だけ見ていると「医療費適正化」は議論の余地のない「錦の御旗」だが、国全体からみると景気、経済の点でなかなか微妙な問題がある。区の赤字は、東京都からの支援もある。(東京都は黒字団体)
ジェネリック化の徹底をあまり激しくやらないことにも、次世代への投資としての「理あり」というわけである。

 TPP交渉では、フローマン(アメリカ交渉代表)は特許期間25年を主張して譲らない。日本の医薬品特許は15年。つまりジェネリック薬は日本では15年目から作れる。しかも、医薬品の値段は厚労省が決めている。すべては政治問題・・・・。病気が治るように、経済が冷え込まないようにしたいものだ。

 高齢化社会の日本で、医療はGDPの15%程度。今後ますます増加すると予想される。医療は単に医療というだけでなく、成長戦略の一環としての4本目の矢なのですから・・・・。

西川荒川区長志帥会講演資料20141113