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JDDW2013 東京 に参加

 昨日からJDDW2013に参加。私の専門は消化管であるが、同じ消化器の分野では、肝臓や膵臓という分野もある。JDDWの初日は、ほとんどが肝臓や膵臓関係の発表であった。

1)C型肝炎治療の進歩
 肝臓の分野では、C型肝炎の経口治療薬がトピックだった。これまで、C型肝炎の治療は、インターフェロンの注射を中心としたものであったが、エイズの治療薬の応用で開発された経口薬で、C型肝炎は9割がた治るという。エイズのウィルスはRNAウィルスで、この特効薬を血眼で開発しているうちに、同じRNAウイルスであるC型肝炎ウィルスも治る薬(シメピレビル(ソブリアート)NS3/4Aセリンプロテアーゼ阻害剤)が開発されたのである。
 11月から、保険収載されるようだ。インターフェロン投与は、微熱や鬱状態をもたらすといった精神作用などが高頻度にあって、患者には結構大変な治療法であったが、講演によると、経口薬はそういった重篤な副作用はなく、治療効果も高く、これまで治りにくかった1b型にもよく効くという話だった。

2)膵臓がんの早期発見
 膵臓がんは、年間死亡者数が約3.2万人に達している。ほとんどが進行状態で発見されるのであるが、中には早期で発見される場合もある。早期発見はどのような症例なのか?ポスター会場のいくつかの発表を見ていたが、ポイントは、「膵管拡張の発見」と「ステントを利用した膵液採取による細胞診」だった。すなわち、MRCPや腹部エコーで「膵管の拡張」を認めて、膵管ステントを挿入し膵液採取をして、細胞診をし癌を発見する。
 この方法は、今後広まる可能性が高い。感受性、特異性の評価が今後の課題であろう。
 ところで、膵臓がんの遺伝子発癌経路は詳しく解明されていて、大腸がんのK-ras変異陽性タイプとよく似ている。K-ras変異陽性タイプの大腸腫瘍は、COX2阻害剤で、発生が減るので、COX2阻害剤は、膵臓がんの進展にも効くと予想されている。