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お酒(アルコール)と大腸癌、胃癌、食道癌  

 今は、忘年会シーズンで、お酒を飲む機会も多い。せっかく、おいしくお酒を飲んでるあなたに、冷や水をかけるような野暮な話かもしれませんが、そんなことなら飲むんではなかったと後悔しないように、お酒と癌の関係を少しまとめておきましょう。

 

 大腸癌とお酒の関係については、授業ではあまり言われていないので、関係がないと思っている人も多いと思いますが、実は大ありです。私が昔まとめたデータでは、お酒を毎日5合飲む人は、お酒を全く飲まない人の2倍の大腸がんの発生率がありました。また、ビールを1500ml飲む人は、飲まない人の2倍大腸ポリープが出てきました。また、会社を辞めて、お酒を飲む機会がなくなると、大腸ポリープの発生率が下がります。

 

 胃癌とお酒の関係についても、これまで、あまりはっきりとしたデータがありませんでしたが、2000年代前半ごろから全国の様々な施設から、相次いで、その関係が指摘されました。ピロリ菌を退治すると、退治後3年目から、胃癌の発生率が下がりました。ピロリ菌を退治すると胃癌の発生率が約5分の1まで下がったのです。しかし、面白いことに、その下がり方に男女差がありました。全国のさまざまな施設のデータが、すべて、同じ傾向を示していました。男性の減少率は約3分の1で、女性の減少率は約10分の1だったのです。はじめ、この現象はGENDER MYSTERYと呼ばれましたが、再度、因子分析をしてみると、寄与度の大きなものは、飲酒量だったのです。つまり、ピロリ菌という最大の胃癌の原因がなくなると、次に胃癌の発生に大きく関与していたのは、酒だったのです。お酒を飲むと飲まないでは、約3倍の胃癌の発生率の差があったのでした。

 

 食道癌とお酒の関係については、昔から医学の教科書に載っていますので、関係があることは、みなさんも、よくご存じでしょう。

 

 以上、「アルコールを飲むと大腸癌、胃癌、食道癌、すべて出来やすくなる」ということで、アルコールは、大腸癌、胃癌、食道癌を予防する観点からは飲むべきではありません。みなさんの予想通り、おいしいお酒を飲んでいるあなたに、冷や水をかける話となってしまいました。

 

 ところで、どういうメカニズムで、アルコールは癌の発生を増やすのでしょうか?

 

 食道癌について、お酒の発がんメカニズムが少しわかってきました。お酒(エタノール)は体内で酸化分解されて、アセトアルデヒドになります。ちなみに、この反応をつかさどる酵素をアルコール脱水素酵素といいます。そして、アセトアルデヒドはさらに酸化分解されて、酢酸になります。この反応をつかさどる酵素は、アルデヒド脱水素酵素といいます。エタノールが体内に入って増加するこの3つの化学物質について、詳しく調べてみると、エタノールにも酢酸にも発がん性はなく、発がん性があったのはアセトアルデヒドでした。お酒の本当の悪玉は、アルコールそのものではなく、アルコールが代謝されて発生するアセトアルデヒドだったのです。

 

 一方、アセトアルデヒド脱水素酵素の活性の高い人は低い人よりも食道癌になりにくいということも大規模な疫学調査でわかりました。アルデヒド脱水素酵素の働きを強化しておけば、アセトアルデヒドがすぐに酢酸に代謝されるので、酒も安全ということです。言い換えれば、「アルデヒド脱水素酵素を強化する解毒剤」と一緒にお酒を飲めば、飲酒による癌発生が抑えるられて、おいしいお酒はやっぱりおいしいということになります。

 

 「アルデヒド脱水素酵素を強化する解毒剤」とは何か?この薬がわかれば!というわけですが、

 

 今日は朝早くからずっと働いていたので、もう眠たくなりました。薬の解答は次の機会にしましょう・・・・。

 

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