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第95回 日本消化器病学会総会に参加。大腸癌の予防法

 2009年5月7日から5月9日までの3日間、第95回日本消化器病学会総会が桜満開の札幌で開催されている。連休から続いての3日間で、休みが長くなり、休み明けが怖い。会長は、浅香正博北海道大学教授である。もう20年ぐらい前だが、氏がまだ講師の時、彼に招かれて、北大で「大腸病変のピットパターン診断と内視鏡挿入法」の講演をしたことがある。思えば、あれからずいぶんと年月が経ったものだ。

 

 

今学会では、氏の発案で「がんの予防」ということがテーマとなっている。学会では、たくさんのセッションがあり、どれに参加するかいつも迷う。会長の考えに従い、午前は、「大腸がんの予防」に参加した。「大腸癌はポリープを全部とると、癌の芽が摘まれ、がんの発生のほとんどが予防できる」(2次予防)のである。てっきりその事かと思っていたら、今回は、「どんなことが大腸癌の発生と関係あるか」といった(一次予防)と、がんの発生を予防する薬やサプリメント(1.5次予防)が話題の中心であった。


 大腸癌は、大腸腺腫や大腸
ACFaberrant crypt foci)(微小な大腸腺腫や大腸過形成結節や、化生性ポリープのこと)を前がん病変とする。そのため、研究対象を大腸がんそのものから、それらの前がん病変に対象を取り換えた発表が、ほぼ全部であった。ちょっと、物足らない。大腸癌と大腸腺腫は完全に同じではない。ちょっと違うものであり、次回のときには、この点も考慮に入れた企画を考えてほしいものだ。


 大腸腫瘍発生と関連した生活上の因子として、年齢、飲酒、たばこ、家族歴、野菜不足、運動不足、高脂血症などが指摘されていた。nが1000を超えた発表は川崎医科大学から出た1演題のみで、私も出しておけばよかったと後悔した。
n=9000ぐらいはコンピューターの中でデータベースになっているはず。しかし、大昔に発表したときと、変わらない内容になりそうだ。


 大腸腫瘍発生を抑制する薬やサプリメント(
chemoprevention)として、話題に上ったものは、効果の強そうなものから順に、スリンダック、緑茶ポリヘノール、エトドラッグ、アスピリン、ブロッコリーの芽(スルフォラファン)、機能性乳酸菌製剤、葉酸、グルタチオン、ω3脂肪酸、オリーブオイルなどであるが、私の経験に基づいて考えると、最初の2つぐらいしか、効果は実感されない。目新しいところでは、アディポネクチン、メトフォルミン、TACEinhibitorTAPI-2(TACEADAM17EGFRのリガンドamphiregulinを放出し、EGFRを刺激する)、イソ酪酸などが、発表されていた。また、大腸腫瘍発生を抑制する分子メカニズムとしては、AMPkinaseなどが紹介されていた。逆に、大腸腫瘍発生を促進するものは、牛脂、ω6脂肪酸、また、分子メカニズムとしては、従来のCox2以外に、jnk、mTORADAM17、βcatenin、などが紹介されていた。

 

薬やサプリメントでの大腸腫瘍発生抑制を希望の方は、受診してくだされば、個人の体質に合わせた薬を処方します。(社会保険が利かない薬やサプリメントの場合、自由診療になる場合もあります。)

 

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