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見落とされる表面・平坦型癌・腫瘍 

 先週、他の病院で、大腸内視鏡を行い、ポリープが見つかった患者が来院した。患者いわく「便潜血反応で、2回のうち1回が陽性になり、大腸内視鏡をしたところ、痛くて大変だった。終わったら先生から、「ポリープが1個だけS状結腸にあります。日にちを変えて、入院し、もう一度内視鏡をして、ポリープを取りましょう」といわれた。でも、あんなに辛くて痛い内視鏡は二度と嫌だと思い、兄弟から評判を聞いていた私のところに来た。」とのこと。本日、大腸内視鏡検査をしたところ、ポリープは全部で12個以上あり、内一番大きな病変は、横行結腸の、15mmの平坦型腫瘍であった。この事実を知った患者は、「この前の大腸内視鏡検査はいったい何だったのでしょう。怖い話ですね」とコメント。前医は、若い先生だったとのこと。内視鏡の技術が未熟で、落ち着いてじっくりと内視鏡観察ができないレベルなのであろう。大腸内視鏡は、熟練するまで、みっちり2年はかかる。先生によりレベルの差が大きな検査である。実は、このような「腫瘍や癌」見落とし話は、よくある話なのである。5mmぐらいまでなら、罪も軽めだが、10mmを超える腫瘍や癌では罪は重い。命が飛んでしまうこともあろう。大きくても特に平坦型は簡単に見落とされやすい。他院で見落とされた最近の二例の写真を掲載するので、発展途上の先生は特によく勉強していただきたい。

他院の見落とし症例1: 横行結腸20mm表面型早期大腸癌
heitan-ca1

他院見落とし症例2: 横行結腸15mm平坦型大腸腫瘍
heitan-ca2

私は現在、東京大学腫瘍外科の講師で、学生や初学の医者相手に、内視鏡の講義をしているが、平坦型癌や腫瘍の発見のこつを以下のように述べている。1)腸管を過進展しない。つまり、空気を入れすぎない。 2)色素を散布する。メチレンブルーを大腸全部に散布して見落とさないようにしている。 3)丁寧にみる。 4)前処置をきれいにする。汚れているときは洗いながら行う 5)拡大内視鏡でピットパターンを必ず確認する。