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経鼻式内視鏡 本当に楽にできるか? 正確な診断は可能か? 

 現在、楽に胃カメラ(上部内視鏡検査)をしたいという要求から、極細径の内視鏡(直径5.6mmぐらい)が開発されて、内視鏡の有力企業、オリンパスとFTS(フジノン東芝システム)から、発売されている。鼻から入れられるので、楽だと言うふれこみである。本当に楽にできるのか?どれくらい正確な診断ができるのか?ということで、先ごろから何回か試用してみた。

 まず、画像を見て、これは、20年前のファイバースコープだと思った。このスコープでは、この20年の内視鏡学の進歩の恩恵を、患者に与えることができない。ピットパターン診断(腺管口文様による診断)や毛細血管観察による診断などは無理である。腺管構造や血管構造だけが変化して、形態が変化していないタイプの病変は、簡単に見落とされてしまうスコープである。こういった、画像精度の低さは、今後、電子技術の進歩により、解決される日も遠くないかもしれないし、またそれに期待するところである。しかし、今、解決されていないのも事実だ。経鼻内視鏡の後に、高性能拡大内視鏡を行った。経鼻式内視鏡ではよく見えなかった、バレット上皮内のピットパターンを、いつものように観察して、ほっと安心した。

 次に楽か否かであるが、内視鏡の直径が細いので確かに楽になっているが、それでも、鼻の穴が痛くなるのを避けるのは難しい。本当に楽にやるためには、スコープに工夫を加えるだけでなく、内視鏡時の適切な麻酔技術も要求される。当院の技術では、内視鏡をしたことすらわからないくらい楽にそして無痛に、内視鏡検査を完了することができる。あえて、精度の低い経鼻式内視鏡を採用する機会はかなり限定的だ。